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ジブリ実験劇場『On Your Mark』 [映画:DVD]

1995年に、スタジオジブリが作製したアニメーション映画です。
CHAGE&ASKAの同名楽曲のプロモーションフィルムとして作製されました。
同年の作品『耳をすませば』の同時上映で公開された作品です。

地表が放射能で汚染され病気が蔓延し、人類は地下に潜んで暮らしている世紀末後の未来の都市。
あるカルト教団の施設を襲撃、制圧した武装警官隊。その中の警官2人は、教団施設の奥で倒れていた翼の生えた少女を発見する。2人は彼女を教団施設から救助したが、その直後、研究資料として政府機関の施設に連れ去られてしまった。為す術なく連れ去られる彼女を見送った2人。だが2人は彼女を救助すべく手を尽くし、空へ帰し自由にしようと奮戦する―

一応ストーリーはありますが台詞は一切なく、チャゲアスの同名楽曲が流れる中物語が展開されます。
この2人の警官がそれぞれチャゲさんと飛鳥さんに似せてあってカッコイイのです!!
おそらくは階級の低い一警官であろう2人。上官に逆らって彼女を救い出し、車を奪って逃走する彼らに容赦ない銃撃が浴びせられます。ジブリ作品にはあまり見られないSFテイスト、銃撃シーンなどスピード感溢れる映像、チャゲアス似のカッコイイ2人(笑)の活劇に惹き付けられました。
2人と少女の交流は、少女が教団から救出されるとすぐに政府の施設へ連れ去られてしまうので、ほんの僅かな時間でしかありません。それでも、「これでいいのか?」といった表情で思案する2人、そして立場も状況も省みずに危険な救出劇を決行する姿。世紀末後の混沌とした暗い世界として描かれた未来ですが、どんな状況にも屈せず、その世界で自分の正しさを貫く事、希望を持って生きる事の大切さを感じました。

クライマックスで、オープンカーからチャゲさん(をモデルにした青年警官)の手をそっと離し飛び立つ少女の微笑みにジーンとなります。車を運転する飛鳥さん(をモデルに以下略)が飛び立つ彼女に向けた微笑みと、最後に彼女の手に軽くキスをしたチャゲさんの姿にファンとしては狂喜乱舞です(笑)
こういうキザな仕草が似合うのは意外と(?)チャゲさんの方なのかもなんて思いました。

少女の背にある翼は、本物なのか人為的に生やされたものなのかは明確にされませんが、初めて(あるいは何年振りかに)空を見た少女の表情から、彼女は本物の天使なのかもしれないと、そして生きる上で失っちゃいけない希望の象徴なんだと感じました。

私が持っているのはVHS版ですがこれはすでに廃盤になっているようです。
現在はジブリの短編作品を集めた『ジブリがいっぱいSpecialショートショート』に収録されています。
チャゲアスファンにはもちろん、ジブリファンの方にも、そうでない方にも、お勧めしたい作品です。



ジブリがいっぱいSPECIALショートショート [DVD]

ジブリがいっぱいSPECIALショートショート [DVD]

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • メディア: DVD



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ロバート・ロドリゲス監督映画 『スパイ・キッズ』 [映画:DVD]

2001年に公開されたSFアクションファンタジーです。

冷戦の時代、二つの敵対する国家の凄腕スパイ、グレゴリオとイングリッド。2人は敵同士として戦う中で、お互いの力を認め合い、やがて互いに愛し合うようになった。 そして、周囲の抵抗を押し切り2人は結婚、スパイを引退する。 それから9年。2人の子どもに恵まれ、経営コンサルタントとして幸せで穏やかな日々を送るグレゴリオ達の下に、彼の昔の組織・戦略事務局OSSから突如仕事の依頼が入る。それはグレゴリオのかつての仲間が行方不明になった事に関する調査だった。久々の仕事に使命感を燃やす2人だったが、それはグレゴリオを捕えようとする悪人達の巧妙な罠だった。
2人が捕まった事を知ったグレゴリオの仲間・フェリックスは、彼らの2人の子ども、カルメンとジュニに両親が冷戦時代のスパイであった事を告げる。 驚く2人が現実を受け止める暇も無く、彼らの下にも敵がやってくる。フェリックスに導かれ初めて知る自分達の家の秘密の裏口。必至に逃げる2人は、その奥にあった潜水艦・スーパーグッピーに乗り込み、OSSの秘密アジトへと逃げる。
その頃、敵の城に捕らえられているグレゴリオとイングリットは、息子のジュニが楽しみにしている子供向けTV番組『フループ・ショー』のホストとして人気のフェーガン・フループが悪の組織の親玉である事を知る。グレゴリオ達を攫った目的は、昔彼らが創っていた最高のスパイの知識がインプットされた人工脳、第三の脳<サードブレイン>を入手する事だった。フループ達はそれを埋め込んだ最高最強のアンドロイド集団・スパイキッズを創りだし世界征服を企んでいた。
カルメンとジュニは、OSSのアジトで偶然サードブレインを発見する。それに気づいたフループ達の追っ手から逃げ続ける2人。休息しようとやって来た公園に、2人にそっくりな子ども達が現れる。彼らはフループ達が発明したアンドロイド・スパイキッズで、立体コピーマシンを使って本物の人間と全く同じ身体を持った彼らは驚異的な怪力でカルメンとジュニを倒し、サードブレインを奪うと足からジェット噴射を出し逃げて行ってしまった。呆然とそれを見守る他なす術のない2人。これを機に、喧嘩ばかりだったカルメンとジュニは心を一つにする。様々なスパイグッズを提供するフェリックスに、超軽量飛行機エアクラフトを借りて、敵のアジトに向かうことを決意する。
彼らは、遂に手に入れたサードブレインを使って完璧なスパイキッズ集団を造り出す事に成功したフループ達を倒し、彼らの両親を助け出すことができるのか―

アクション、SFファンタジー、子どもの成長物語、家族の絆、色んな要素が詰め込まれていて楽しめます。
特に目を惹くのは、ジェームス・ボンドかルパン三世のようなハイテクを駆使したスパイグッズの数々と、それを使いこなし戦うカルメンとジュニの姿です。想像力溢れる乗り物やスパイグッズの数々は大人の子ども心をもくすぐります。ドラえもんのひみつ道具みたいで、現実離れしてますがそんな事を抜きにしてわくわくさせてくれるアイテムです。年端のいかない子ども達が大人を相手に戦い活躍するという無茶っぷりも、これらのアイテムによって無理なく成り立たせています。
そしておマセな姉・カルメンと引っ込み思案な弟・ジュニの迷(?)コンビ、彼らの子どもらしいやり取りもほのぼのと楽しめます。序盤のおろおろする表情から、終盤のキリっとした表情に変わっていく成長振りと、喧嘩を繰り返しながらも次第に結束する2人の姿も見ものです。主演は父・グレゴリオを演じたアントニオ・バンデラスですが、真の主役はこの2人と言っても過言ではありません。
テンポよく進むストーリーとわかりやすいキャラ設定で、ストレートな勧善懲悪ストーリーですが飽きる事無く惹き込まれました。手を取り合ったカルメンとジュニの強さ、特に引っ込み思案なジュニが強い目に変わっていく過程が、応援したくなる可愛らしさと一途さに溢れています。
子ども2人の冒険がメインのファミリー映画ですが、大人が観ても童心に帰れる素敵な作品です。


スパイキッズ [DVD]

スパイキッズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD



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山崎まさよし主演 『8月のクリスマス』  [映画:DVD]

韓国映画のリメイク作品で、『月とキャベツ』以来8年ぶりの山崎まさよしさんの主演作です。

父から受け継いだ小さな写真スタジオを営む寿俊。彼は病に冒されており、余命幾ばくも無い状況に置かれていた。寿俊は静かに自らの死を受け入れ、誰も自分の人生に巻き込む事無く、穏やかに日々を送っていた。そんな夏のある日、町の小学校の臨時教員を務める高橋由紀子が店にやってくる。由紀子は何度か店を訪れる内に、穏やかで優しい寿俊に心を開き「オジサン」と呼んで慕い惹かれるようになる。寿俊は由紀子の懸命な仕事ぶりやくるくると変わる表情に惹かれていく。「誰も好きにならない」と決め、恋に消極的な寿俊にとって、由紀子との交流は寿俊の残された僅かな人生に生きる喜びと安らぎを与えていた。
やがて由紀子の転任が決まり、その事を伝える手紙を書いた由紀子だったが、その頃寿俊は救急車で病院に運ばれていて……。

大人の女性らしい芯の強さと少女らしい繊細さを持ち合わせた由紀子の、エネルギー溢れる姿が魅力的でした。
自分の運命を受け入れ淡々と生きる寿俊が、心を開いて由紀子に惹かれながら、「自分はもうじき死んでしまうのだから、好きになってはいけない」という思いの間で揺れる悲しく辛そうな表情に胸が痛みます。
友人の亮二と飲みに行って酔いに任せ「俺はもうじき死ぬんだ!」と冗談めかして叫んだシーンが悲しくてうるうるしました。
過剰に感動させようという演出はあまり無く、台詞も少なめで、表情や仕草で魅せる優しさや希望、葛藤に静かに心を揺さぶられました。大きな感動というよりも、じんわりと温かく切なくて涙が滲みます。
この手のお話はやろうと思えばいくらでもあざとく盛り上げる事が出来ますが、敢えてそうした演出を抑えてある事でよけいに切なさがこみ上げてきます。
終盤、由紀子が寿俊からの手紙を読むシーンにはずっと抑えていた寿俊の由紀子への想いが溢れていて、避けられなかった寿俊の運命と、寿俊の優しさや強い愛情に涙が零れました。
寿俊の病の事を、彼がいなくなってしまって初めて知った由紀子ですが、深く想われていた事を知る事が出来た彼女は寿俊の願い通り、強く幸せに生きていけるだろうなと思います。

生き続ける人死にゆく人、人が愛し愛される中で避けられない別れの形ですが、たとえ死が愛し合う人を離れ離れにしたとても、想いは記憶に残って生き続ける人を支えていくものなんだと感じました。

原作の方は観ていませんが、こちらもいい作品だと聞いたので観てみたいと思います。


8月のクリスマス スタンダード・エディション [DVD]

8月のクリスマス スタンダード・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD



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SFアニメ 『APPLESEED』士郎正宗原作 [映画:DVD]

士郎正宗さんの同名マンガを原作にしたSFアニメです。

西暦2131年。世界を壊滅させた非核大戦が終結。女性兵士デュナン・ナッツは武器を手に荒廃した町を彷徨っていた。そこへ一台の武装ヘリが飛来しデュナンは捕獲され、理想郷(ユートピア)オリュンポスに連行された。目を覚ましたデュナンの前に現れたのは、戦争で身体の大半を失い全身をサイボーグ化したかつての恋人・ブリアレオスと、ヒトミと名乗る女性だった。オリュンポスに暮らす住民の50%は、ヒトの社会の安定を目的に愛情や憎しみを制御して造られたクローン人間・バイオロイドだった。自身もバイオロイドだというヒトミに案内されオリュンポスを巡るデュナンは、途中何者かの襲撃を受ける。ブリアレオスが現れデュナンと共に襲撃者を撃退するが、うち一体が「APPLESEEDを解放してはならない」と謎の言葉を残し自爆する。
人類の存亡とバイオロイドの存在意義、そしてオリュンポスに隠された真実を巡る戦いにデュナンは巻き込まれていく―

モーションキャプチャーとトゥーンシェイダーを取り入れたCG映像は、特に戦闘シーンやアクションシーンでその力を発揮します。アニメーションはセル画の方が好きなんですが、セル画ではメカによる戦闘のスピード感や緊迫感を表現しきれないだろうなと感じました。CGにはCGの良さがありますね。逆にキャラクターの表情や動きが何だか不自然で違和感がありましたが……。

オリュンポスの政治を担うバイオロイドとヒトが動かす軍部の対立、オリュンポスを維持する「ガイア」と七賢老、そして戦士として振舞うブリアレオスの意味深な行動。誰が何を目的として動いていて戦うべき相手は誰なのか、「APPLESEED」とは何なのか、ヒトとバイオロイドの共存は可能なのか、ミステリアスな展開と哲学的なテーマもあり、惹きこまれます。原作を知らないので世界観や設定を理解するのに少々時間がかかりましたが。
ヒト社会の平穏の為、感情を抑制されたバイオロイドの存在が悲しいです。生殖機能も抑えられ、延命措置をしなければ急速に老化し死に至る、確かに愛や憎しみを知らなければ争いは起きにくいでしょう。しかしバイオロイド達は緩やかながらも感情の起伏を持ち命を持っています。彼らから感情や生殖機能を奪い、またその存在さえも憎悪し殲滅させようとするヒト、あるいはバイオロイドを新人類と呼びヒトの争いの原罪を押し付ける、共存とは名ばかりのヒトのエゴに憤りを感じました。
オリュンポスの真実を知り「未来は自分達で決める」と七賢老に言い放ち戦ったデュナンの姿、そしてクライマックスでのブリアレオスの、「俺達は任されたんだ。」という台詞が、希望を持てる爽やかな後味になっています。

ヒトがヒトである限り争いの無い世の中は訪れないのでしょう。それでもヒトである事を放棄できないのなら、せめて憎しみ争うのではなく、大切なものを守る為の戦いをしたいと思います。


APPLESEED [DVD]

APPLESEED [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



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安藤政信主演 『Red Shadow 赤影』 [映画:DVD]

'01年に東映創立50周年記念として作られた作品です。1960年代に一大ブームとなった横山光輝さんの原作が元になっているそうです。

西暦1545年、戦乱の世の中。戦国大名・東郷秀信に仕えその天下統一を助けるべく、頭の白影の下任務をこなす赤影・青影・飛鳥、通称「影一族」と呼ばれる忍者集団の元に新たな任務が下った。それは、敵対する京極城の地下に眠るとされる新式兵器を偵察するというもの。早速、最新鋭の武器と防具に身を固め、数々の忍術を駆使し城に忍び込む赤影達3人。だが、待ち構えていた「根来忍者」達と戦闘になり飛鳥が命を落としてしまう。青影はその後精神的ショックから抜け忍となり一族を離れてしまった。
一方、京極城では城主・兼光が謎の死を遂げた事をきっかけに、たった一人の後継者である孫娘・琴姫が男子として国を統治すると決めていた。しかし、兼光を毒殺しお家乗っ取りを企む家老の竹之内は、根来忍者を使って琴姫暗殺を遂行する。琴姫を竹之内の魔手から救ったのは、東郷の命令でやはり彼女の命を狙っていた赤影だった。思わぬ事から、忍としての掟を破ってしまった赤影。更に、竹之内が琴姫派の家臣達の抹殺を企てている事を知った赤影は、独自の判断で竹之内の計画を阻止すべく、そして飛鳥の仇を討つ為に、後に合流した青影と共に竹之内との戦いに臨む―

根来忍者の一人・乱丸を演じた藤井フミヤさんがかっこ良かったです!(←いきなりそこ?)
原作の『赤影』を知らないので何とも言えませんが、ずいぶんと現代的なアクションや価値観に仕上がっているような気がしました。「地球外の金属」だなんてSF的な物も出てきますし……。忍の里での赤影達の生活も何だかほのぼのとした雰囲気で、他の忍者のお話からのイメージとはだいぶかけ離れています。
前半は、男2人女1人のドタバタ青春恋愛コメディーといった感じで退屈してしまったのですが、中盤で飛鳥が命を落としてからはぐっと引き締まってきます。平和な世の中を実現する為に影の世界で生きる事の悲しさに、またあるいは光の当たる世界を夢見て駒となって生きる姿の悲しさにじんとしました。赤影達はまだ雇い主に恵まれていましたが、乱丸達は……。働きが報われると信じていた乱丸達の想いに悲しくなります。(個人的にフミヤさん目当てで観ていたのでこの展開はちょっとショックでした。)
終盤、自分の生きる道を探し始める赤影達の表情はたくさんの悲しみを宿していながらも、希望が浮かんでいるように見えました。
白影役・竹中直人さんの独特の存在感もいいですね。

いろいろとツッコミ所満載ですが、戦国時代という設定や忍者のイメージなどを忘れて観ると、アクションは迫力ありますし、様々な立場の人々の思惑が交錯する様は観ていて楽しめます。

自分の為に、大事な人の為に、生きられるのは大変だけれども素敵な事なのだと思います。


RED SHADOW 赤影 [DVD]

RED SHADOW 赤影 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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内村光良主演『恋人はスナイパー 劇場版』 [映画:DVD]

内村さん、大ファンなのです。
2回のテレビドラマ放送を経て映画化された作品です。西村京太郎『華麗なる誘拐』をベースにしています。
内村さん演じる天才的スナイパー・王凱歌(ウォン・カイコー)と、水野美紀さん演じる警視庁国際二課の刑事・円道寺きなこのアクションたっぷりの恋愛物語です。

平穏な平日の昼下がり。中華料理店を訪れたきなこ達の目の前で狙撃事件が発生した。犯人は国際犯罪組織「1211」のスナイパーで、かつて王凱歌の弟分だった范火清。
「日本国民1億3千万人を誘拐した。身代金は5千億円。」
「1211」を名乗る犯人から首相官邸に犯行声明が出され、事件は日本全土に広がっていく。続く惨劇の中、政府と警察上層部は超法規的処置を執り「懲役250年の刑に服する伝説の天才スナイパー」を呼び寄せる事を決めた。
かつて中国からの留学生としてきなこの家にホームステイしたウォン。「スナイパーと刑事」という関係を超え惹かれあった2人は、決して結ばれる事のない想いを抱え再会する。
ウォンの天才的スナイピングと、きなこの鮮やかなカンフーを武器に、2人は強大な敵に立ち向かう……。

前二作を観ていなくても充分に楽しめる作りになっています。もちろん、観ていた方がより感情移入できるのは言うまでもありません。
スタント無しの自然でかつ迫力あるアクションシーンに目を奪われます。内村さん、かっこよすぎです!
そして、2人の決して叶わない想いが切なくてたまりません。服役中のウォン、他の男性と婚約したきなこ。2人の心の繋がりの強さが伝わってくればくるほど、結ばれない現実が圧し掛かってきて泣けてきます。最後のスイカズラには涙が止まりません。
「君といたときだけは、人を殺した事を忘れられた。」
このウォンの台詞にジーンとしました。もう少し婉曲な表現だともっとグッとくる気もしますが、でもあえて「殺した」という言葉を使うことで、ウォンの恋愛に対する不器用さや、重ねてきた罪の重さを感じる事が出来るのだと思います。

また、この作品は故いかりや長介さんの遺作となっており、佇む姿に役者魂を感じました。

ドラマ版よりもコミカルな要素は減っていてシリアスなシーンが多く、手に汗握るアクションと切なすぎる2人の想いに胸を打たれました。ファンでない方にもお勧め、ドラマ版と合わせて永久保存したい作品です。


恋人はスナイパー 劇場版 [DVD]

恋人はスナイパー 劇場版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
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草なぎ剛主演 『黄泉がえり』 [映画:DVD]

SMAPの草なぎ剛さん主演、RUI名義で出された柴崎コウさんの主題歌のヒットでも有名な作品です。

九州・阿蘇地方のとある地域で、死者がよみがえるという現象が立て続けに起こる。それも死んだ当時の姿のまま、自分の事を今も尚想い続けている人の前に、ある日突然何事もなかったかのように現れる。50年以上前に死に別れた息子、苦楽を共にした最愛の妻・夫、たった一人の身内だった兄弟、いじめを苦に自殺してしまった同級生。彼らのよみがえりを素直に受け止め喜ぶ人々と、困惑する人々。体温や脈拍、脳波は正常、自分が死んだ事も記憶している彼らは一体何故、どうやって戻ってきたのか? 
厚生労働省に勤務する川田平太は、自分の故郷で起こったこの現象を調査するため帰郷した。そこで平太は海で死んでしまった親友・俊介の婚約者だった橘葵と再会する。この不思議な現象を目の当たりにした葵は、俊介のよみがえりを願っていた。
調査の末、平太は死者がよみがえる法則を発見する。葵に密かに想いを寄せていた平太は、葛藤しながらも葵のため俊介をよみがえらせようと決意する。しかしそんな矢先、平太はよみがえった人々が3週間しかこの世にはいられない事を知る。そのタイムリミットは、俊介の好きだった人気歌手・RUIの緊急野外ライブが行われる日でもあった。ライブ会場へ葵を向かわせ自らも会場へ走る。葵の、そして平太の想いは届くのか……。

ジャニーズ系アイドルにはさほど興味が無いので、草なぎ剛さんというと『ぷっすま』での無邪気でほんわかした表情しか知らないのですが、この作品を観て「なんていい表情をする人なんだろう。」と思いました。冷静に仕事をこなす顔、冒頭で葵の帰宅を待っていた時の照れたような表情、おでん屋さんでの葵との自然な会話、葵に「(俊介と葵がお互いを)どれ程愛していたなんてそんなの知るかよ! 俊介は海で死んだんだ!」と叫ぶ悲痛な顔。葵のためにライブ会場へ走る姿、どの表情もとても凛々しくまた優しさに溢れていて素敵でした。

色々と説明不足な所があるようにも感じるのですが、そもそも「死者が大勢よみがえる」という有り得ない現象を描いているので説明のしようもないだろうと思うのでその辺りは置いておきまして。一番解せなかったのは葵の気持ちでした。俊介のよみがえりを願い、「俊介に会わせてよ!」と彼に片思いしていた女性の部屋にまで押しかけておきながら、終盤では「私は平太に会いたいの!」と叫ぶ葵。一体葵の気持ちはいつ平太に動いたのか? 俊介の立場は……? 葵の身に起きた事も明らかになった後、感動のラストへ向かっているはずなのにここで引っかかってしまってちょっと興を削がれてしまいました。
RUIも不思議な存在だなぁと感じます。死亡説が流れるほど音楽業界から遠ざかっていた彼女。RUIもよみがえり現象を目の当たりにした1人ですが、もしかしたら彼女の歌でよみがえり現象が広まったのではないかと思いました。あくまでも私の推測ですが、平太達の調査により判明した法則からよみがえったのは、RUIの恋人であるキーボード奏者・SAKU1人だけで、他のよみがえりの法則に当てはまる人々はRUIの気持ちと歌に触発されよみがえったんじゃないでしょうか。よみがえった人々の現世にいられるタイムリミットが阿蘇でのRUIの緊急ライブの日だと言うのもこれなら頷ける気がします。
タイムリミットが過ぎて、死者達は元いた世界へ帰っていきます。よみがえり現象を体験した人達は、2度も大切な人との別れを経験するはめになるのですが、それでも自分が死ぬ前の皆に、よみがえってきた生前の彼らに、伝えられなかった事を伝え、短い間でも心が通じ合った事を確かめ合えた皆の穏やかで明るい表情は、切ないけれど心の温まるものでした。
そしてラストで、俊介から葵へ、葵から平太へ受け継がれた鉢植えの花(花の名前忘れてしまいました><)、葵の手元にあったときには咲かなかった白い花が咲いているのを見た時の平太の表情は、葵への想いと辛く悲しい現実を越えて未来への希望が浮かんでいてジーンとしました。

人は誰でもいつかは死んでしまう、この作品のような“よみがえり”は現実には起こりえない。だから、大事な人を亡くす時、自分が死ぬ時、後悔しないように、伝えたい想いはきちんと伝えようと思います。


黄泉がえり [DVD]

黄泉がえり [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
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野村萬斎主演 『陰陽師』 [映画:DVD]

夢枕獏さんの原作小説を狂言師・野村萬斎さん主演で2001年に映画化した作品です。

謀反の罪をかけられ憤死した早良親王の怨霊によって封じられた長岡京を捨て、早良親王の兄・桓武天皇が平安京に遷都してから150年。都には早良親王の呪いなのか未だに鬼や魑魅魍魎が跋扈し凶事が多発していた。そんな鬼や物の怪達を陰陽道の術を使って鎮め都を守るのが陰陽師と呼ばれる者達の役目だった。中でも安倍晴明は希代の陰陽師として名を知られていた。
ある日、帝と左大臣・藤原師輔の娘・女御任子との間に産まれた親王・敦平が原因不明の病に侵された。友人であり右近衛府中将でもある藤原博雅に助けを求められた晴明。博雅の話を聞いた晴明は親王に強力な呪がかけられている事を察し、かつて怨霊化した早良親王の塚を守るため人魚の肉を喰らわされ永遠の命を授かったという不思議な女性・青音を訪ねる。彼女を連れ内裏に上がり敦平の体内の邪気を青音に移す事でその命を救った。親王に呪いをかけたのは都転覆を企む陰陽頭・道尊。敦平親王暗殺に失敗した道尊が次に狙ったのは、帝の寵愛を受ける任子に嫉妬する右大臣・藤原元方の娘・更衣祐姫。彼女を操り帝と敦平親王の命を奪おうと企むが、それもまた「星のお告げ」で都の守り人となり、強い友情で結ばれた晴明と博雅によって阻止されてしまう。道尊は遂に、早良親王の塚を破壊するという強行手段に打って出る。早良親王の怨霊を体内に取り込み力を増幅させた道尊は宮廷を襲撃する。戦いを挑む晴明と博雅だったが、道尊の強大な力の前に博雅が倒れてしまう……。

何と言っても野村萬斎さんの立ち振る舞いの美しさに惚れ惚れします*^^*走る、舞う、話す、印を結ぶ、どの所作も優雅で目と心も奪われます! 鬼や魑魅魍魎が存在するとされていた平安時代。安倍晴明自身も、狐の子であるなどと言った不思議な伝承のある人物なのですが、野村萬斎さんの優雅な立ち振る舞いと相まってよりミステリアスな美しさを醸し出しています。
終盤の晴明対道尊の術者同士の戦いが圧巻です。野村萬斎さんと道尊役・真田広之さん、お二人の迫真の演技は鳥肌が立ちます。そして、一連の事件の中で友情が深くなっていく晴明と博雅の絆、序盤はあまり感情を顕わにしなかった晴明が、終盤の道尊との戦いで倒れた博雅に「死ぬな!」と叫ぶシーンに胸を打たれました。
CGが少々ショボイのですが、それを補ってあまりある役者さん達の演技と存在感にどっぷりと平安時代に浸れます。

怨霊と化した早良親王、早良親王を想い人身御供となった青音、嫉妬や暗い野望が呼び寄せる魑魅魍魎……いつの時代でも、一番恐ろしいのは鬼や物の怪ではなく人間なのだと感じます。


陰陽師 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東宝
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金城武主演『スペーストラベラーズ』 [映画:DVD]

金城武さん、好きなんです*^^*
2000年に、『踊る大捜査線』のスタッフを中心に作られた作品です。

閉店間際のコスモ銀行に銃を持った3人組の強盗が押し入った。金を奪い速やかに逃走するはずだった彼らの計画は、金を取りに行かせた支店長と警備員が監視していた犯人を追い出し金庫の中に閉じこもってしまい失敗してしまう。不審車両が発見され銀行はパトカーに包囲された。強盗団・保、功、誠の3人は金庫のロックが解除される翌朝まで、ロビーにいた数名の行員と客を人質に立てこもることになる。人質になったのは、寿退職を控えた行員のみどり、みどりの同僚清水、客として来店していた電気屋の倉沢、離婚寸前の深浦夫妻、クマのぬいぐるみを抱えた謎の男・坂巻の6人。だが、坂巻が指名手配中の国際テロリストだということが警察側に知れ、また自分を置いて逃げた婚約者・野々村への怒りに逆上したみどりがライフルを乱射、包囲していたパトカーを炎上させたことから、事件は日本全土を揺るがす大事件に発展してしまう。だが、保はそれを逆手に取り、人気SFアニメ「スペーストラベラーズ」のキャラクターに自分達を重ね合わせ、人質にも犯人グループを演じてもらい、自分達を強力な犯罪組織に見せかけ警察を混乱させるという作戦を思いつく。初めは強盗達の提案に戸惑っていた人質達だが、孤児院で育った保達の身の上と、「幼い頃から夢に見た楽園を探してそこで3人で暮らすんだ」という彼らの強盗の目的を聞き、次第に保達に心を開き作戦に協力、友情が芽生えていく。国際テロリスト・坂巻の助言も手伝って作戦は順調に進んでいた。緊迫する外とは裏腹に彼らは強盗と人質という関係を飛び越え、充実した時間を過ごすようになる。しかし夜が明け始めた頃、一発の銃声が事件の幕を引く。2階で外の状況を警戒していた功が撃たれ、警官隊がついに突入を開始する……。

犯人達と人質達が協力し生き生きと話す姿に、「ストックホルム症候群」による心理作用以上の絆を感じました。それ故に、事件解決を目的に突入する警官隊が悪者に見えてしまい、取り押さえられる皆の姿に胸が痛みます。何も盗まれていないし誰も傷付けられたり殺されたりなんかしていないのに、どうしてこんな事になるのかと悲しくなりました。惹かれ合う誠とみどりの様子や、無口で無愛想で打ち解けていく皆から離れ一人外を警戒していた功が、撃たれる寸前にみどりに見せた微笑が余計に悲しさを増しています。もうちょっと違う展開にも出来たんじゃないかと思いました。
突入の混乱の後、保達はどうなったのか? ラストシーンで、アニメ「スペーストラベラーズ」再開の予告が流れるのですが、保達が楽園を見つけられた姿と重なるように思えて少し希望が湧いてきます。

非日常から生まれた絆と、被害者から犯人に転じて生き生きと表情を輝かせる様に惹かれました。
こんな冒険(?)してみたい、なんて思ってしまいます^^


スペーストラベラーズ [DVD]

スペーストラベラーズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ
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金城武主演 『リターナー』 [映画:DVD]

金城武さん主演の作品です。邦画ではあまり見られないCG技術を駆使してサイエンス・フィクションを魅せてくれます。

2084年。地球は「ダグラ」と呼ばれる宇宙人の侵略を受け、人類は絶滅の危機に瀕していた。人類の技術を遥かに越えた兵器を有し襲撃を繰り返すダグラに人類が取れる最後の手段は、完成した「戦略時間兵器」で過去へ行き地球に侵略した最初のダグラを抹殺すること。15歳の少女ミリは、ダグラの侵入に混乱する施設の中、戦略時間兵器へ飛び込む事に成功する。
2002年、横浜。闇取引の現場からブラックマネーを奪還し依頼者にその金を送り返す「リターナー」のミヤモトは、人身売買組織の闇取引を潰すべく横浜港に潜入していた。15年前にミヤモトの幼馴染を殺したマフィア、溝口を銃撃戦の末追い詰めるが、そこへ突如現れた少女に気を取られ溝口を見失ってしまう。少女はミリと名乗り、82年後の世界から地球を守る為にやってきたという。2日後に開始される宇宙人・ダグラの襲撃の前に、最初に侵入してきたダグラを抹殺しなければならないとミヤモトに協力を依頼する。突拍子も無いミリの話に全く耳を傾けなかったミヤモトだったが、理解不能な現象を見せられ、更に「首に爆弾を仕掛けた」と脅され、渋々そのミッションに手を貸す事になる。
地球に侵入したダグラが収容されている施設を調べ上げ潜入したミリとミヤモト。最初のダグラと接触したミリだが、彼女の目の前にいるのは見慣れた装甲服をまとった長身のダグラではなく、怪我を負ったらしい弱々しく小さなダグラだった。そして溝口がダグラの驚異的な力を利用し金儲けを企んでいる事を知る。そして未来の戦争はダグラの侵略ではなく、このダグラを溝口が殺しダグラ達の怒りを買った事が原因だという事も判明する。
溝口に攫われたダグラを救いに向かうミリとミヤモト。夜明けまでに傷ついたダグラを奪還出来なければ、ダグラ達の襲撃が始まり未来の戦争は止められなくなってしまう。深夜、溝口達のいる海上の石油掘削船に潜入し、銃撃戦の中ミリは瀕死のダグラを救出する。だが、ヘリポートに出たミリの目の前にはすでに朝焼けが広がっていた。自分のやってきたことは無駄だったと泣き崩れるミリ。ヘリポートへ出たミヤモトはミリと合流するが、溝口たちに囲まれてしまう……。

リアルなCGにまず目を奪われます。SF作品の場合ここがショボイと一気に興ざめしてしまうのですが、滑らかな動きで変形するダグラ達の装備や戦闘機はとてもリアルで、宇宙人やタイムトリップといった設定をより一層魅力的なものにしてくれています。
そして、裏の社会で生きるミヤモトと侵略戦争の時代を生きるミリ、心に傷を負っている2人が2日間行動を共にして心を通わせていく様はほのぼのと心を温めてくれます。現代の文化を知らないミリが、ミヤモトが作ったスパゲティを「アルデンテ」と言って「お前ワザと間違えてるだろ。」とツッこむミヤモト、2人とも可愛らしいです^^そして互いを「相棒」と呼び信頼し合う姿に、心の強さと2人の絆を感じとても勇気付けられます。戦いながら生きるミリの凛とした眼差しと、「未来になんて興味ない」と言いつつ、冷徹になりきれずミリを守ろうとするミヤモトの不器用な優しさに惹かれました。

多少、ご都合主義的な展開もあるのですが、(「ミリが現代でダグラの侵略を回避してもミリの生きていた時代は変わらないのでは? あるいは過去が変わった事でミリの存在そのものがなくなる可能性があるのでは?」といったタイムパラドクスが起きない事など)「何でもあり」なSFファンタジーと許容解釈できる範囲でしょう^^;
金城武さんはこういう役柄が似合いますね*^^*かっこよかったです。悪役・溝口の岸谷吾郎さんの壊れっぷりもお見事でした!

未来は決まってなんかいない、未来も運命も自分次第で変えられる、そう感じさせてくれる作品でした。


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