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演劇集団キャラメルボックス30th vol.2『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』 [観劇]

昨日は演劇集団キャラメルボックスの公演『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』を観てきました。(若干のネタバレを含みますのでご注意ください。)

8月、大学生の高梨ほしみは、家族6人でキャンプに出かける。それは、年に一度の家族の行事。ところが、キャンプ場に向かう途中で事故が起こり。家族全員を失ってしまう。ほしみだけは軽傷で済んだが、直ちに病院へ運ばれた。すると、亡くなったはずの家族もついてくる。その姿は、ほしみにしか見えない。なぜなら、彼らは幽霊だから。バラバラだった家族が、ほしみを見守ることで一つになる。しかし、いつかは別れなければならない。ほしみが家族と過ごす、最後の夏……。
(パンフレットより)

4度目の上演となる人気作ですが、私は今回が初見で何度も驚かされました。事前に公式サイトで上記のあらすじを読んだのですが、それとは全く雰囲気の異なる、サスペンスめいた冒頭のシーンに驚かされました。あのシーンがほしみ達家族の事故とどう繋がるのかとあっという間に惹き込まれました。
何故か警察に追われるほしみの叔父・鉄平。彼は何故追われているのか。そして彼の妻・あやめと、あやめの同僚の男性・菊川を取り巻く複雑な想いとすれ違いに胸が痛みます。
そしてほしみ達の事故を聞いてようやく病院へ駆けつけた鉄平が語った話と、鉄平を追ってほしみを訪ねてきた刑事達の話は大きく食い違っていて、何が本当なのか、鉄平は一体誰の為に奔走しているのかとますます目が離せなくなりました。
また、夏のキャンプが恒例行事になっているとはいえ、ほしみ達家族の心はバラバラで、それを悲しみどうにかしたいと行動するほしみの家族を愛する一途さと健気さに惹きつけられました。病室で、看護師や同室の患者、そばにいる家族の心配を吹き飛ばすように明るく振る舞うほしみの姿、そんな彼女を見てやっと心が一つになる家族の様子に、「家族」って何なのかと考えさせられます。そして、終盤で明らかになるある人の秘密に愕然となりました。家族をいっぺんに失ったばかりか、そんな衝撃的な事実を突き付けられてなお、家族を好きだと言えるほしみの強さとその想いの深さに心打たれました。
一番驚かされたのは鉄平の身に起きている事が明らかになった瞬間でした。(言われてみれば伏線はちゃんとあったのに全く気付かず。)その事実と鉄平の想いをあやめに伝えるほしみの叫び、そうしてようやく繋がった鉄平とあやめの心に胸が熱くなります。
交わらない想いを抱えたまま一つ屋根の下で暮らすのは辛いことです。家族って、人を好きでいることって、どういうことなんだろうと考えさせられました。ほしみの言葉を聞いていて、その一つは「信じること」なのだろうかと思いました。ただただ盲目的に信じるのは悲劇を生むけれど、きちんと目を合わせ会話をし、偽りない気持ちを伝えること、その気持ちを信じること、簡単なようでとても難しい、けれど側にいてそれが出来ないのは淋しいことだと思いました。

主人公・ほしみを演じた原田樹里さん、すごく素敵でした。ハマり役だと思います。
写真は終演後の「撮影OKタイム」に撮った「過去の名場面集」の内の一枚とカーテンコールの模様です。名場面集は今作『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』のラストシーン。この後照明が落ちていってある物にスポットが当たるんですがそれがまたいいです。
30th名場面集『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』
カレッジ・オブ・ザ・ウインドカーテンコール

公演は池袋サンシャイン劇場にて6/14まで。
是非たくさんの方に観て頂きたい作品です。

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ニコニコファイト

本日6/6行ってきます。
by ニコニコファイト (2015-06-06 06:26) 

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