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演劇集団キャラメルボックスサマーツアー『雨と夢のあとに』 [観劇]

久々の更新になってしまいました。
今月は演劇集団キャラメルボックスの公演を2本観てきました。
まず1本目『雨と夢のあとに』

桜井雨は中学2年の女の子。幼い頃に母を亡くし、今はベーシストの父・朝晴と二人で暮らしている。
朝晴は蝶の収集が趣味で、幻の蝶と呼ばれているコウトウキシタアゲハを捕まえるために台湾へ行く。
森の中でついに幻の蝶を発見、ところが捕まえたと思った瞬間、穴に落ちてしまう。
数日後、朝晴は無事に帰国。心配していた雨は涙を流して喜んだ。が、朝晴の姿は雨にしか見えなかった。
朝晴は自分の身体を穴の底に置いてきた。魂だけが戻ってきたのだ。もう一度、雨に会いたくて……。
(公式サイトより)

まだ中学生の雨を1人きりにはできない、そんな強い想いで戻ってきた朝晴。幽霊なのに、身体に触れて話をする事もできるのが、その強い想いの現れなんだろうと思いました。とっても仲の良い親子の姿は2人が積み重ねてきた時間の幸福さを感じさせてくれて、2人のやり取りを観ていると心和みます。
朝晴のかつてのバンド仲間の早川夫妻と息子の北斗、家出してきた朝晴の実家の両親、隣人の暁子、雨と朝晴を取り巻く人々の優しさと愛情の深さに心打たれました。
中盤で明らかになる雨の出生の秘密と、幽霊と生者がずっと一緒に過ごす事は不可能だという現実。引き裂かれてしまう雨と朝晴を守ろうと奔走する皆の姿と、自分は死んだのだという現実と雨を守りたいという想いの間で揺れる朝晴の姿、現実がどうであっても朝晴と一緒にいたいという雨の願い。疾走感を増していく展開の中で、それぞれの強い想いに惹き込まれます。特に雨に片想いしている様子の幼馴染み・北斗の一途さに惹きつけられました。
そして訪れる別れの時。父娘2人きりで乗る観覧車。「お父さんを独り占めできるから好き」という旨の雨の言葉に、ベースや蝶に夢中になってしまう朝晴への淋しさが込められていてジーンとしました。2人の別れに相応しいシチュエーションだと思います。そして朝晴から雨への「世界一幸せになれ」という言葉に、娘を残して死んでしまった彼の悲しみや雨への愛情が溢れていて涙が止まりませんでした。
幽霊の朝晴と雨が過ごしたのは夏の10日間。正に夢のような日々のあとに、雨に残されたものはたくさんの愛情なんだと思います。それらを受け取った雨が今後どんな風に生きていくのか、悩んだり悲しんだりしても「世界一幸せ」になれるのではないかと思いました。

想い合う父娘の別れという悲しい結末ですが、死して尚娘を想う父の愛情と、雨自身の前向きさ、周りの人々の優しさにとても明るく温かい気持ちになれました。
こんな風に愛し愛されて生きられたら、と思います。



(どーでもいい追記)
原作もドラマも未見で初演も観ていない私は、公式サイトを見て「朝晴」をずっと「あさはる」と読んでいました。幕が開いて「ともはる」と呼ばれている大内さん(朝晴役)にしばらく困惑してしまいました(汗)
ところで、事実を知って混乱する雨のためにとマリアが呼んだ「広瀬教授」とは『嵐になるまで待って』の広瀬教授と同一人物なのでしょうか??



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くにちゃん

そういえば~ともはるていってましたね~^^あさはるじゃないの?自分も二作品観ましたよ~
by くにちゃん (2013-09-02 20:00) 

リュカ

>くにちゃんさん
超亀レス申し訳ないですm(_ _)m
あの字を「とも」とはなかなか読まないですよねぇ^^;
by リュカ (2013-10-06 20:05) 

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