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演劇集団キャラメルボックススプリングツアー 『ナミヤ雑貨店の奇跡』 [観劇]

先日、演劇集団キャラメルボックスの公演『ナミヤ雑貨店の奇跡』を観てきました。東野圭吾さん原作の作品です。
弱冠ネタバレがあります。ご注意下さい。

敦也と翔子と幸平は同じ養護施設で育った仲間。ある夜、ある家にコソ泥に入り、逃亡の途中で廃屋になった雑貨店に逃げ込む。すると表の方で微かな物音。シャッターの郵便口から誰かが封筒を入れたのだ。中の便箋には、悩み事の相談が書かれていた。この雑貨店は、店主が生きていた頃、近隣の住民の悩み事の相談に答えていたのだ。3人はほんの遊び心から返事を書いて、牛乳箱に入れる。すると、またシャッターの郵便口から封筒が。そこには、3人の返事に対する更なる質問が書かれていた。しかも、差出人は数十年前の人間らしい……。
(公式サイトより)

これまでのキャラメルボックスの作品は、愛する人や家族、仲間の為に奔走する主人公が多かったように思うのですが、今回の主人公は顔も名前も知らない人の為、遊び心からだんだんと真剣に相談に答えるようになっていきます。養護施設で育ち、その後も幸福とは言えない暮らしをしてきただろう3人の擦れた心が変わっていく様に、他人と真摯に向き合う事の大切さを感じました。
過去から届く悩み相談の手紙、持ち込まれる悩み事は様々で相談者の行く末も様々ですが、中でも心打たれたのはミュージシャンを目指す青年と家族の姿です。稼業を告がず家を出た息子に、父親が投げた言葉。物事に真剣に臨む覚悟を突きつける父の声に胸を打たれました。青年は誰かを救い、現在へと縁を繋げていきます。
ある貧しい青年と良家の令嬢、引き裂かれた1つの恋から始まるたくさんの繋がり、ナミヤ雑貨店に救われた人が他の誰かを救い、彼らがまた誰かを救います。大切な人を救いたいと決死の覚悟で奔走する人、意図せず誰かを救った行動、人は1人じゃ生きていられない事を感じさせてくれます。
過去からの現在へ届いた手紙と、現在からの過去へ送られた言葉が、複雑に絡み合って物語を織り成す東野さんらしいストーリーテリングと、誰かを思う気持ちが奇跡を巻き起こしていく様がキャラメルボックスの雰囲気ととてもマッチしていて、完全なハッピーエンドとは言えないけれど明日への希望を持てる素敵な舞台でした。

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駅馬車

不思議な話ですね~
昔の自分からの悩み相談に今の自分が答える、って感じだったり、とか想像しちゃいます(^^)
私だったら.....もっと社交的にして大丈夫だよ、って教えたいなぁ。

by 駅馬車 (2013-06-10 11:36) 

リュカ

>駅馬車さん
レス遅くなってすみませんm(__)m
本当、不思議で引き込まれる物語でした(^^)
過去の自分へ、私だったら「もっと自信をもってやりたいようにやりなさい」と言うでしょうか(^o^;)
by リュカ (2013-07-03 23:22) 

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