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G-Up presents 『猿』 観劇 [観劇]

今日はザムザ阿佐ヶ谷で上演されているG-Upの舞台『猿』を観てきました。
元キャラメルボックスの細見大輔さんや、扉座の有馬自由さんが出演されています。

全てこの世は猿芝居
男は無様に哭き喚き
女は無惨に狂い咲く
回し回され猿芝居
(パンフレットより)

舞台は戦時中の昭和、悩める文豪達と彼らを取り巻く女達の物語です。
愛人・時江と心中未遂を起こした文豪・手塚、その妻・沙紀、書けなくなったと嘆いてみせる泉、編集者の仁科、彼らを中心にドロドロした深く悲しい物語が展開されます。
手塚の心中未遂の動機と、その後の時江と沙紀。いつの時代でも、したたかで怖いのは女の方なのかもしれません。

また、時江が経営する酒場で暮らすまるで童女のような女性・ツネ子と、彼女を時江の店に連れて来た新聞社社長の高岡、この2人の姿が切ないです。
店に集う文豪達はツネ子を「天使」だといいます。最初は男の都合のいい幻想のように聞こえたのですが(どういう事なのかは……お察し下さい。)、高岡が彼女を店に連れて来た経緯と彼らの関係が明らかになると、「天使」という表現は幻想ではなくなり、ツネ子の存在感を的確に表すものとなります。
「ツネ子に捕われている」と言われた高岡ですが、ある意味ではそれも幸福なのかもしれません。

どんな時代であれ、生きる事は寂しく辛い、それらを忘れるべく入り乱れる感情や言葉、欲望。哭き喚き、狂い咲く、猿芝居のような滑稽な生き様、だけどだからこそ切ない、そんな物悲しい気分に包まれます。
ラストシーンは、そんな中でも清らかな輝きを放つツネ子の姿が印象的でした。

タグ:演劇 G-up
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