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『吸血鬼』観劇 [観劇]

今日は細見大輔さんが出演されている舞台、『吸血鬼』を観て来ました。

もしも、あの時、あの街、あの部屋の扉を開けていたら、人生は変わっただろうか――
(公式サイトより)

不可解な死を遂げた広告代理店のOL藤村恭子。元恋人である脚本家・菊池顕は自殺として片が付いた彼女の死に不審を感じ、また仕事に行き詰っていた彼は恭子をモデルに脚本を書こうと考え、彼女の死の真相を追います。彼が辿り着いた結末は……。
タイトルや公式サイトの一文から受けるイメージとは違っていて、人の孤独や心の闇を描いた悲しい余韻の残るお話でした。
またちょっと難しい構成になっていて、一体現実は、真実は何だったのだろうと、観終わった今も色んなシーンや台詞が頭の中をぐるぐるとしています。
全ては主人公の作り上げた妄想だったのかもしれない、全て現実に起きていたのかもしれない、現実は一部だけなのかもしれない、様々な解釈が可能だと思います。
ネタバレになるのであまり書けませんが、終盤の"あの部屋の扉を開けた"シーンが現実なら、どんなにいいだろうと思いました。

タイトルの『吸血鬼』という言葉は登場人物の口から序盤と終盤で2回出てきます。実際に吸血鬼が登場するわけではなく、人の心や生き方の象徴として語られています。
全く異なる意味が語られますが、私は序盤の意味の方になるほどなぁと思いました。
終盤で語られたような思いは私には希薄なので……。
(観てない方には何のこっちゃわかりませんね・汗)

「この脚本を書いた方はどんな人なんだろう?」と思って調べたら、この『吸血鬼』は実際にあった事件をモチーフに作られたとありました。
'97年に起きた"東電OL殺人事件"、私はあまり記憶にありませんがかなりセンセーショナルな事件で、他にもこの事件をモチーフにした作品があるようです。

人は誰もが孤独で、誰かと繋がる事を求めてる―
けれどどんなに心や身体を繋いでも、その繋がりは一瞬のものでしかなく、孤独から完全に逃れる事は叶わないんじゃないだろうか。何だかそんな事を思いました。

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