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キャラメルボックス'08Xmasツアー 『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』  [観劇]

昨日はキャラメルボックスのクリスマスツアー、『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』お昼の回を観に行ってきました。

テレビドラマの脚本家・根室典彦は、来期の仕事を取る為マネージャーの真知子と共に、テレビ局のプロデューサーを接待していた。「前向きに検討する」という言葉だけに終わった長い接待の後、典彦は秘かに想いを寄せていた真知子を自宅に誘う事に成功する。真知子に想いを告げようとした正にその時、インターフォンが鳴り響いた。渋々扉を開けると、そこに立っていたのは若い女性。彼女は日高いぶきと名乗り、典彦を「お父さん」と呼んだ。14年前に離婚して以来一度も会っておらず、母親の亜希子と共に札幌で暮らしているはずのいぶきは、原稿用紙の束を取り出し「自分の小説を本にしたいから出版社の人を紹介してほしい」と言い出した。典彦は14年ぶりの再会の唐突さに戸惑い、そして立て続けに舞い込む仕事のトラブルを前にほとんどいぶきと向き合えない。すれ違い向き合えない典彦といぶきを家族と同僚達が気遣う中、典彦の同僚で作家の砂川はある事に気付く。いぶきの正体とその真の目的とは……?

父娘の、そして家族の絆の物語です。それでいて「泣かせよう感動させよう」というあざとさが無く、素直にジーンとできます。笑い所も満載で楽しませてもらいました。
典彦の事務所・ダブルハーツの雰囲気がとても温かくて、気が弱く頼りなさげな印象の典彦ですが努力家で大きな器をしていて、尊敬され慕われる人柄の持ち主だというのが伝わってきます。
典彦のかつての教え子で今は共に仕事をする砂川の、知的な売れっ子作家でありながらまったく驕った所のない優しい穏やかな雰囲気に惹きつけられました。
また、事務所のマネージャー・真知子の献身的な仕事ぶりはダブルハーツの温かさの象徴のようです。典彦に対し恋愛感情は無さそうで、夢を追い勝手に物事を決めたご主人に腹を立てつつも見限れない、強さと優しさを兼ね備えた真知子のような女性は憧れます。そして妄想を大暴走させる、笑わせ所の岩見沢の存在感が強烈です。何度も暴走して典彦に激しいツッコミ(飛び蹴り喰らってたり!)を受けるのですが、下手に暴走を繰り返すとくどくなってしまう所を、愛らしく素敵な三枚目っぷりを発揮されていました。
また、病気で他界し幽霊として家族の傍にいる典彦の父・孝造が、自分が見えると言ういぶきとの会話の中で「苦労をかけた妻の花絵に何もしてやれなかった、せめて傍にいて見守りたい」といった事を語り、この物語のタイトルをさらりと口にしたシーンと、「あの人が傍にいる事はわかっている」と言った花絵にジーンとしました。
14年前、自分の過失でいぶきに大怪我をさせ、溝が出来始めていた亜希子との離婚を決定付けてしまい、自身も深く傷ついた典彦。淡々とした調子の台詞の底に流れる、家族への想いや物書きに対する不器用だけど熱い想いを感じました。
そしていぶきのころころと変わる表情、喜怒哀楽の表現の上手さに目を見張りました。素直になれず生意気になってしまったり、手料理を典彦に食べてもらおうと奮闘する姿、食べてもらえなくて怒る様等などに、14年間会えなくても父親の事がすごく好きなんだと感じさせてくれました。いぶきが典彦に会いに行く際に立てた目標を一つ一つ語るシーンにうるうるさせられました。

終盤で明らかになるいぶきの真実、そしていぶきの強い想いが起こした奇跡に胸を打たれました。
非現実的な事態が起きていますが、たとえいぶきが××××(重要な部分なので伏せ)でなくても、いぶきは典彦に会いに来ていたと思います。家族の絆は時間も場所も離れていても、深く繋がっているものなんだと感じました。この事をきっかけに典彦と亜紀子のよりが戻るといいなぁなんて思います。
クリスマスに相応しい、心温まる素敵なお話でした。


そして、今回はロビーで売り子をされていた役者さんと少しですがお話が出来ました~!!!
とっても優しい目をされたカッコイイ方でした~!!!
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