演劇集団キャラメルボックス2011サマーツアー『降り注ぐ百万粒の雨さえも』2回目観劇

昨日、演劇集団キャラメルボックスの公演、『降り注ぐ百万粒の雨さえも』お昼の回を観てきました♪
(ネタバレあり注意)

＜あらすじ＞
慶応4年1月、鳥羽伏見の戦いに敗れた新選組は、船で江戸へ向かう。副長・土方歳三は江戸での再起を叫ぶが、隊士は半減。池田屋騒動の頃の勢いはもはやどこにもなかった。一番隊士・立川迅助は、土方の命令で、沖田総司の世話係となる。沖田は労咳が悪化し、一人で歩くこともできなくなっていた。隊から離脱し、千駄ヶ谷池尻橋近くの植木屋の離れで静養することに。しかし、土方たちが甲陽鎮撫隊として、甲府に行くと聞き、無理やり後を追いかける。迅助が止めるのも聞かずに……。
(公式サイトより)

初日を観て展開がわかっていても泣けますね……。
わかっているからこそ泣けてくる所もあり。
(以下ネタバレ多数につき追記へ)

新撰組ファンはもちろん、そうでない人にも、幕末史をよく知らなくても、充分に楽しめるお勧めの舞台です！


甲府へ向かおうとする土方さん達の下へ現れた沖田さん。「私の身体はもう元に戻った」と主張する沖田さんに対し、「なら証明してみせろ」と刀を抜く土方さん。
応じた沖田さんは一撃目の突きこそ鋭いものの、あとはもう……。
「江戸で待て」と言われ大人しく頷く沖田さんの佇まいが切なくてたまりません。苦しい戦いの中、戦線離脱を止む無くされた沖田さんの歯がゆさに胸が痛みました。
そして、心を鬼にして「新撰組を辞めなさい」という沖田さんの姉・ミツや、無理をして刀を振り稽古を続ける沖田さんを必死で止める植木屋の娘・みぃ。みんなの沖田さんを想う気持ちに胸を打たれます。

新撰組が昔から好きなので、迅助の友人・捷平の行動は2度目にもやっぱり「何て事するんだバカー！！(泣)」と思ってしまいました(苦笑)
捷平も迅助とは違う意味で真っ直ぐだから憎めないのですが……。
迅助の強さや魅力が仲間を信じる事にあるのと対照的に、捷平の強さや魅力は曲がった事が嫌いで自分の理想や信念に忠実な所にあると思います。だからこそ、投降した近藤局長が変名を名乗ったことが「自身の延命のため」と映り許せなかった。(そうじゃないんですけどね……。)そして坂本竜馬の遺志を継ぐ土佐藩士・室戸策太郎達と出会って共感した彼は、自身の進む道を決めたのでしょう。新撰組を裏切る事に彼は何の躊躇いも感じていないように見えました。どこに属するかという事は問題ではなく、自分の理想や信念を貫ける生き方を求めていたように思います。
「お前はいつでも自分が一番正しいと思い込んでいる」土方さんが捷平に放った言葉ですが、それは彼の強みでもあり「強くなくてはならない」という想いの現れだったように思いました。
土方さんに剣を向けた捷平を信じて庇い、信頼する友と恩のある土方さんの間で苦悩する迅助の姿もまた心打たれます。
そして迅助は捷平を当たり前のように許していて、そもそも裏切り行為に対して全く腹を立てていない。それなのに、観ている私が彼を憎む事はできませんでした。

坂本竜馬に心酔し彼の遺志を継ぐ室戸さん。彼もまた、竜馬から熱い想いを、風を継いであの時代を駆けていたのでしょう。

中盤、室戸さん達土佐藩士と捷平の4人に囲まれた土方さんと三鷹さんを救うべく駆けつけた迅助、戦う迅助の後ろには沖田さんの姿が……!　これは反則です。泣けないわけがないです。
この戦いの直前、三鷹さんの「お前らなんかに新撰組が負けてたまるかー！」って叫びにも泣かされました。
そして迅助に託された沖田さんの刀……。最後の瞬間まで共に戦い抜いた隊士達の熱い生き様に心打たれました。
戦いが終わった後、沖田さんへ刀を返しに千駄ヶ谷へ向かった迅助に、みぃが伝えた沖田さんの訃報と「ありがとう」という言葉にまた涙……。

鳥羽・伏見の戦いで惨敗し江戸へ、そして敗色濃厚な戦いを続ける新撰組。「剣の時代は終わった」と言う土方さん。恐らく彼ら自身、自分達の行く末がどうなるかを感じていたのではないかと思います。けど誰も時代の流れに恭順しようとはしない、不利極まりない戦況に絶望もしていない。
最後の瞬間まで新撰組隊士であり武士であり続けた彼らの生き様に惹き付けられます。

「降り注ぐ百万粒の雨さえも、俺を止める事はできない」
捷平の言葉として語られる今作のタイトルですが、登場人物達全員の生き様に当てはまる言葉だと思います。
男達の真っ直ぐに熱く駆け抜ける姿と、戦う男達を想う女達の強く一途な気持ちに心打たれた2時間でした。


そしてこの日は、ミツを演じた坂口さんの2500回目の記念ステージでした！
カーテンコールの三浦さんの挨拶の後、坂口さんのお祝いです。
しっかり笑わせて頂き、楽しいひと時になりました。皆さんと一緒にお祝い出来て良かったです。
頂いた記念品、大事にします♪

そういえば、去年の岡内さんの1500ステージも劇場でお祝い出来たんです。
記念ステージがいつと発表されるのって直前ですから、タイミングが合うと嬉しいですね。

タグ：演劇集団キャラメルボックス 新撰組

コメント 2

坂口さん２５００すごいですね！キャラメルは、何度見ても感動しますね！
by くにちゃん (2011-08-20 16:25) 

＞くにちゃんさん
レス遅くなりましたm(_ _)m
キャラメルの公演が1年で約200ステージだとして、2500ステージを達成するには……。坂口さんの記録、凄いですよね!
同じ公演を何度観ても、キャラメルは感動しますね^^
by リュカ (2011-08-29 18:57)