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キャラメルボックス'09サマーツアー『風を継ぐ者』 [観劇]

昨日、演劇集団キャラメルボックスのサマーツアー『風を継ぐ者』を観てきました。
前から3列目といういい席で殺陣から何から迫力満点でした!

元治元年五月。
足が早い事だけが取り柄の立川迅助と、友人で昌平坂学問所教授を父に持つ小金井兵庫は共に新撰組の入隊試験を受け見事合格した。
沖田総司率いる一番隊に配属された2人は次第に新撰組に馴染んでいく。
だが一ヶ月後の池田屋事変で、2人の目の前で沖田は喀血し昏倒してしまう。心配した2人は、沖田を迅助の妹・そのが看護見習いをしている桃山鳩斉の診療所へ連れていき、桃山の娘・つぐみが沖田を診る事になった。沖田は「おなごは苦手だ」と言いつぐみはその言葉に反発するが、2人は次第に惹かれ合っていく。
その後、迅助達は蛤御門の変に巻き込まれ怪我を負った女性・美弥を助ける。桃山診療所へ案内された美弥は、「自分の夫は池田屋で沖田総司に殺された」と語り……。

左東広之さん演じる迅助の素直で一途な気持ち、大切な人を守る為救う為に、泣きそうなくしゃくしゃの顔で走り回る姿がとても魅力的で、応援したくなるくらいに惹き付けられました。
終盤、窮地に陥った状況でも「俺は絶対に逃げません!」と叫んだ姿、そして長州志士達を見据えた眼差しにぞくぞくしました。最高にかっこよかったです!
そして、畑中智行さんが演じた沖田の、殺陣の時のどこか楽しげで残忍ささえ見える表情や、仲間達に向ける優しく熱い眼差しが沖田総司のイメージにぴったりでめちゃくちゃかっこよくて、中でも武器を奪われ丸腰のまま敵を睨みつける表情に惚れ惚れしました。

元々新撰組が好きなので、彼らに肩入れしながら観てしまうのではないかと思っていたのですが、敵対する長州の志士達や、沖田に夫を殺されたと言う美弥、それぞれの気持ちもとても強く伝わってきて、善も悪も無く、ただ熱い想いとそれぞれの正義がだけがあった幕末の時代の空気を感じてジーンとなりました。
そして、危険な戦いに身を置く男達を、女達はただ黙って待ち泣くだけではありません。命を救う為に学び手を尽くすつぐみ。夫の復讐の為に弟・剣作と共に行動を起こした美弥。その強い想いに惹き付けられます。つぐみの「(沖田は)今殺さなくても病でいずれ死んでしまう」という言葉に対し、「病なんかで死なせない、沖田総司には剣で死んでもらう!」という美弥の言葉に、夫へのただならぬ想いと自分の行動に対する決意の強さを感じて胸が痛みました。
その後、総司から託された手紙をつぐみが読み上げるシーンでは、2人の心が確かに通じ合っている事を感じて、それでも結ばれる事は叶わなかった運命が切なくて泣けてきます。

ラストシーンは明治に入った世の中。
10年の時は様々なわだかまりを解き放ち、剣作と兵庫は行動を共にしています。
「俺達、みんな生きてて良かったな!」という兵庫の台詞と笑顔にうるうるしてしまいました。
戊辰戦争で離れ離れになった兵庫と迅助が再会し、手を振り合う場面では思わず客席から手を振り返したくなりました。同じ思いにかられた方は多いのではないでしょうか?

大切な誰かの為に走り大切な誰かの為だけに生きる、決して自己犠牲の精神ではなくて、誰もが互いに同じ想いを抱えて走り生きている、そんな熱い真っ直ぐな生き様に胸を打たれました。



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