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演劇 キャラメルボックスハーフタイムシアター『ハックルベリーにさよならを』&『水平線の歩き方』 [観劇]

これを書きたいがためにこのブログを始めたと言っても過言ではありません。
昨日18日は演劇集団キャラメルボックスのハーフタイムシアター(上演時間60分2本立て)『ハックルベリーにさよならを』と『水平線の歩き方』を観てきました。
観劇自体初めての事でとても楽しめました。

『ハックルベリーにさよならを』
ケンジは小学6年で、母さんと二人暮らし。父さんは別の町に住んでいて、月に一度の面会日にしか会えない。
家庭教師のコーキチくんは、カヌーが大好きで、その影響で、ケンジも大好きになった。
が、母さんは危ないと言って、乗ることを許してくれない。
今日は面会日。ケンジは父さんのマンションへ行く。近くの池でボートに乗るのを楽しみにして。
ところが、父さんの部屋には、カオルと名乗る女性がいた…。

『水平線の歩き方』
岡崎がいつも通りに仕事を終え、アパートに帰ると、そこには、母がいた。
岡崎が小学6年の時に、病気で亡くなった母が。幽霊? しかし、母は「お帰り」と言い、夕食の支度を始めた。母の手料理は、懐かしい味がした。
親子二人で過ごした日々が、岡崎の脳裏に鮮やかに蘇る。
あの頃、母は大人に見えた。
が、目の前にいる母は、明らかに自分より年下だった…。


『ハック―』のケンジにそれはそれは一途に想いを寄せる同級生、アベさんの存在感が強烈で、ケンジに迷惑がられて怒鳴られてもめげずに突っ走り、しまいにはケンジの母やコーキチ君まで味方に抱きこんでしまうしたたかさ、強引なんだけど憎めないキャラで可愛かったです。
『水平線―』の親子はまるで友達か姉弟のようで心和むシーンの連続でした。お菓子を勝手に取り出しポリポリ食べてのほほ~んとしていながら、でもきっちりと「母親」の顔を見せる、私の理想の母親像です。

どちらにも共通するテーマは「親子の愛」と「再会」。素敵なお話だったので是非観に行って下さい~!!

以下、ネタバレなので続きへ。核心に触れていますのでご注意下さい。


『ハック―』はケンジがいつカオルを好きになったんだろう? というのが引っかかってしまいました。母への想い、父への気持ち、カオルを認めたくない自分とカオルを好きになった自分。相反する想いに苦悩するケンジに、カオルは「お父さんを取り上げたりしない。ケンジ君が好きだから。」と身を引いてしまう。ケンジはカオルを好きだと言えなかった事を後悔し続ける……のですが、ケンジがカオルを好きになったというのが唐突だったように感じてしまいました。終盤、一人雨で増水した神田川へボートで出て行ったケンジの「一人にしてくれよっ!」って叫びは痛いほどに伝わってきたのですが、10年経ってもカオルの部屋へ電話をかけ続けるボクには今ひとつ感情移入しきれなかったです……。一瞬でカオルを好きになってしまったからこそ苦悩したのかなぁとも思うのですが……。
でも苦悩するケンジの事を最優先に考え行動する父と母、そしてカオルの想いにはジーンとしました。最後、皆の想いを知ったケンジは、10年経ってようやく自分を許してあげられたんですね。

『水平線―』は母を亡くし離婚した父にも捨てられ、ずっと一人で突っ走って生きてきた幸一の姿と、そんな幸一を想い「お前が必要だ」「私は側にいる」と叫ぶ周りの人々の気持ちに涙が溢れました。生きる希望をラグビーに見出していた幸一、けれど怪我を繰り返して選手生命の危機に立たされた彼は生きる希望を失くしやけっぱちになり、事故を起こして生死の境を彷徨っていた幸一が聞いた、家族や仲間、恋人の悲痛な叫びと、「皆の所へ戻りなさい」と言った母の言葉にまた涙々。だから亡き母に会えたんですね。
水平線の向こうには死者のいる島があるという。そこまでの距離は物理的に計算して約4.4km。幸一が子どもの頃に叔父から聞いた話は、幸一の心の支えになっていたんだなぁと感じました。戻って行った幸一がどうなったのかは描かれていません。けれど新たな心の支えを得た幸一はきっと生きる希望を得られたのだと思います。母もたった4.4km先からずっと見守っているのですから。

劇場のあちこちから聞こえるすすり泣き。いい作品でした。
すっかりキャラメルボックスの虜です!次の公演も観に行く、ずっと応援すると決めましたッ!

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コメント 2

加藤昌史

トラックバックありがとうございました。
ただいま、サポーターズ・ブログ・リンクにも登録させていただきました!!
by 加藤昌史 (2008-06-20 13:28) 

リュカ

きゃぁ~≧▽≦!!加藤さん、ご訪問ありがとうございます!!!大感激ですp≧▽≦q
もっと早くキャラメルボックスを知る事が出来ていたらと悔しいです><
これからもずっとずっと応援させていただきます!!
by リュカ (2008-06-20 17:52) 

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