小説『ミミズクと夜の王』 紅玉いづき [小説]
第13回の電撃小説大賞で大賞を受賞したファンタジー作品です。
ある月の美しい夜。魔物の棲まう「夜の森」に一人の少女が現れた。両手と両足には決して外せない鎖を嵌められ、額には「332」の焼印。ぼろぼろの身なりでやってきたミミズクと名乗る少女は、森を統べる美しい魔物の王に身を捧げる。物心ついた頃から奴隷として生きてきた彼女の願いは一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ?」人間嫌いの夜の王に惹きつけられたミミズクは、拒まれても拒まれても王の元へ向かう。やがて王は少しずつミミズクと話をするようになっていく。
ある日、夜の森に迷い込んだ狩人は傷だらけのミミズクと出会う。ミミズクの鎖や傷を見た彼は、ミミズクが魔王に捕らわれていると思い込み、王宮の騎士へ報告する。国は捕らわれの少女救出と魔王討伐に向けて動き始める―。
電撃文庫というと中高生向けライトノベルのイメージが強いですが、この作品は大人が読んでも充分読み応えがあると思います。
盗賊の村で奴隷として扱われ、愛情どころか苦しみや悲しみ、全ての感情を知らずに育ち、まともな教育も受けられず作中の言葉を借りれば「少し足りない」、それ故に純真無垢なミミズク。そして月を瞳に宿し、森を支配する孤高の絶対者である夜の王。時間を止めたかのような彼の心をミミズクが解きほぐしていく様にほのぼのと癒されます。
また、他の登場人物達も誰もが誰かを大切に想っていて、そのためになりたい自分になろうとしてなれなくてあがいていたり、自分の立場と葛藤していたりと、どのキャラクターの視点で見ても共感できる想いを背負っています。
自分にとって何が幸せか? クライマックスのミミズクの決断と行動にジーンとしました。
とても素敵なお話です。
幸せの形は一つじゃなく、誰にとっても正しい形なんかなくて、幸せは自分で選んで手にするものなんだと感じます。
ある月の美しい夜。魔物の棲まう「夜の森」に一人の少女が現れた。両手と両足には決して外せない鎖を嵌められ、額には「332」の焼印。ぼろぼろの身なりでやってきたミミズクと名乗る少女は、森を統べる美しい魔物の王に身を捧げる。物心ついた頃から奴隷として生きてきた彼女の願いは一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ?」人間嫌いの夜の王に惹きつけられたミミズクは、拒まれても拒まれても王の元へ向かう。やがて王は少しずつミミズクと話をするようになっていく。
ある日、夜の森に迷い込んだ狩人は傷だらけのミミズクと出会う。ミミズクの鎖や傷を見た彼は、ミミズクが魔王に捕らわれていると思い込み、王宮の騎士へ報告する。国は捕らわれの少女救出と魔王討伐に向けて動き始める―。
電撃文庫というと中高生向けライトノベルのイメージが強いですが、この作品は大人が読んでも充分読み応えがあると思います。
盗賊の村で奴隷として扱われ、愛情どころか苦しみや悲しみ、全ての感情を知らずに育ち、まともな教育も受けられず作中の言葉を借りれば「少し足りない」、それ故に純真無垢なミミズク。そして月を瞳に宿し、森を支配する孤高の絶対者である夜の王。時間を止めたかのような彼の心をミミズクが解きほぐしていく様にほのぼのと癒されます。
また、他の登場人物達も誰もが誰かを大切に想っていて、そのためになりたい自分になろうとしてなれなくてあがいていたり、自分の立場と葛藤していたりと、どのキャラクターの視点で見ても共感できる想いを背負っています。
自分にとって何が幸せか? クライマックスのミミズクの決断と行動にジーンとしました。
とても素敵なお話です。
幸せの形は一つじゃなく、誰にとっても正しい形なんかなくて、幸せは自分で選んで手にするものなんだと感じます。
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