小説『冷静と情熱のあいだ rosso・blu』 江国香織・辻仁成 [小説]
映画化もされた江国香織さんと辻仁成さんによる恋愛小説です。男女別々の視点で1つの恋愛を描いています。
「rosso」
穏やかで優しい恋人・マーヴとの日々。静かで満ち足りたミラノでの生活。誰もが羨むような暮らしの中で、あおいは空虚な心を抱えていた。10年前に失ってしまった恋人・順正。誰よりも理解し合い、情熱のままに想いをぶつけ合った順正と、もう想いを交わす事は出来ない。友人に囲まれ淡々と日々を送るあおいの心の支えは、他愛無い一つの約束。「私が30歳になったらミラノのドゥーモで会いましょう。」10年前に交わした、まるで別れを予感していたかのような約束の時は近付いていた―。
「blu」
絵画の修復士としてフィレンツェで暮らす日々。一心に自分を愛してくれる女性・芽美との生活。現在の順正はそれなりに幸せに生きているつもりだった。けれど、10年前に別れてしまった恋人・あおいの事がどうしても忘れられない。そしてあおいの30歳の誕生日にミラノのドゥーモで会おうという約束の日が近付いていた。恩師の死、あおいへの想い故に芽美を愛せない事、10年前の別れの真相、たくさんの人を傷つけながらも、順正はミラノへ向かう―。
良くも悪くもひたすらに美しい恋愛物語です。過去に忘れられない恋愛があると言う人には主人公達に共感できるのではないかと思います。私にはそういう恋は無いので、一番感情移入したのは芽美でした。近くにいるのに心は遠い、それでも一心に順正を愛しすがる姿がとても悲しくて、でもその想いに芽美の強さを感じました。ちょっと浮世離れしたような登場人物が多いこの作品の中で、一番リアリティがあり、地に足をつけて生きているのが芽美ではないかと思います。
強く惹かれ合い理解し合っていたあおいと順正を引き裂くかのように訪れた別れ。「一番好きな人とは一緒にはなれない」順正の友人・崇の言葉が心に残りました。
10年の間変わらない想い、約束の日、そしてあおいの決断、順正の想い。どんな時でも現実を見つめるのは女性の方なのかな、と感じました。
互いを自分のように理解し合うほど、当然あるはずの違いが許せなくなってくるのではないかと思います。10年前に別れていなくてもこの2人は上手く行かなくなっていたんじゃないかと感じてしまいました。
「rosso」
穏やかで優しい恋人・マーヴとの日々。静かで満ち足りたミラノでの生活。誰もが羨むような暮らしの中で、あおいは空虚な心を抱えていた。10年前に失ってしまった恋人・順正。誰よりも理解し合い、情熱のままに想いをぶつけ合った順正と、もう想いを交わす事は出来ない。友人に囲まれ淡々と日々を送るあおいの心の支えは、他愛無い一つの約束。「私が30歳になったらミラノのドゥーモで会いましょう。」10年前に交わした、まるで別れを予感していたかのような約束の時は近付いていた―。
「blu」
絵画の修復士としてフィレンツェで暮らす日々。一心に自分を愛してくれる女性・芽美との生活。現在の順正はそれなりに幸せに生きているつもりだった。けれど、10年前に別れてしまった恋人・あおいの事がどうしても忘れられない。そしてあおいの30歳の誕生日にミラノのドゥーモで会おうという約束の日が近付いていた。恩師の死、あおいへの想い故に芽美を愛せない事、10年前の別れの真相、たくさんの人を傷つけながらも、順正はミラノへ向かう―。
良くも悪くもひたすらに美しい恋愛物語です。過去に忘れられない恋愛があると言う人には主人公達に共感できるのではないかと思います。私にはそういう恋は無いので、一番感情移入したのは芽美でした。近くにいるのに心は遠い、それでも一心に順正を愛しすがる姿がとても悲しくて、でもその想いに芽美の強さを感じました。ちょっと浮世離れしたような登場人物が多いこの作品の中で、一番リアリティがあり、地に足をつけて生きているのが芽美ではないかと思います。
強く惹かれ合い理解し合っていたあおいと順正を引き裂くかのように訪れた別れ。「一番好きな人とは一緒にはなれない」順正の友人・崇の言葉が心に残りました。
10年の間変わらない想い、約束の日、そしてあおいの決断、順正の想い。どんな時でも現実を見つめるのは女性の方なのかな、と感じました。
互いを自分のように理解し合うほど、当然あるはずの違いが許せなくなってくるのではないかと思います。10年前に別れていなくてもこの2人は上手く行かなくなっていたんじゃないかと感じてしまいました。
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