小説『シクラメンと、見えない密室』 柄刀一 [小説]
柄刀一さんの連作推理小説で文庫版発行は'06年11月。
初っ端から半端に古い作品だけど気にしない(苦笑)
年齢不詳で美しい喫茶店店主・美奈と、その娘・奈子。不思議な魅力を持つ2人は、引き寄せられるように喫茶店を訪れ常連となったお客が持ち込む悩みを解き明かしていく。
常連客の持ち込む悩みはオヤジ狩りに密室殺人、遠隔殺人などなど物騒なものばかりですが、美奈と奈子の親子の醸し出す雰囲気と、モチーフにされた植物が物語に優しさを添えていて、救いのある温かい物語に仕上がっていてとてもいいです。
トリックも秀逸で、幻想的かつ現実的で合理的。ミステリーのトリックにおいて、「幻想的」と「現実的」を両立させるのはとても難しいのだけど、柄刀さんはそれを見事に表現されていて、「この人天才だ!」と思います。トリックが解ってからもう一度読み返しても新鮮さが失われない、と思います。
一話完結のシリーズ物だけど、最終章でプロローグから仕掛けられていた驚きの事実が明らかになって、それがまた切なくて堪りません。
安易なお涙頂戴ではなく本当に切なく美しい物語と、秀逸なトリックのミステリーが融合した素晴らしい作品でした。柄刀さんの作品は他にもたくさん読みましたが、これが今一番お気に入りです。
初っ端から半端に古い作品だけど気にしない(苦笑)
年齢不詳で美しい喫茶店店主・美奈と、その娘・奈子。不思議な魅力を持つ2人は、引き寄せられるように喫茶店を訪れ常連となったお客が持ち込む悩みを解き明かしていく。
常連客の持ち込む悩みはオヤジ狩りに密室殺人、遠隔殺人などなど物騒なものばかりですが、美奈と奈子の親子の醸し出す雰囲気と、モチーフにされた植物が物語に優しさを添えていて、救いのある温かい物語に仕上がっていてとてもいいです。
トリックも秀逸で、幻想的かつ現実的で合理的。ミステリーのトリックにおいて、「幻想的」と「現実的」を両立させるのはとても難しいのだけど、柄刀さんはそれを見事に表現されていて、「この人天才だ!」と思います。トリックが解ってからもう一度読み返しても新鮮さが失われない、と思います。
一話完結のシリーズ物だけど、最終章でプロローグから仕掛けられていた驚きの事実が明らかになって、それがまた切なくて堪りません。
安易なお涙頂戴ではなく本当に切なく美しい物語と、秀逸なトリックのミステリーが融合した素晴らしい作品でした。柄刀さんの作品は他にもたくさん読みましたが、これが今一番お気に入りです。
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