SSブログ

演劇集団キャラメルボックス30th vol.3『時をかける少女』 [観劇]

7月29日に演劇集団キャラメルボックスの公演、『時をかける少女』東京公演を観てきました。遅くなってしまいましたが感想をアップします。
(※若干のネタバレを含みます。)

尾道マナツは高校2年生の女の子。札幌で両親と暮らしている。
8月、目の病気にかかった伯母の世話をするために東京へ行く。伯母の家に着くと、幼馴染の竹原輝彦と再会する。伯母の芳山和子は、大学で薬学の研究をしていた。輝彦も和子の教え子として、同じ大学に通っていた。
翌日、マナツは伯母と共に大学へ行き、輝彦に学内を案内してもらうが、途中で迷子になってしまう。人影を追って実験室に入ると、フラスコが倒れ、中からラベンダーの香りがする煙が立ちのぼる。マナツはその煙を吸って意識を失う。
次の日、再び大学へ行くと、今度は地震が発生。マナツと輝彦に向かってエアコンの室外機が落ちてきた。ぶつかる、と思った瞬間、マナツは1分前に戻っていた……。
(パンフレットより)

この作品は筒井康隆さんによる同名の原作小説の世界から30年後の物語です。原作のヒロイン・芳山和子は現在40代。高校時代に同じくラベンダーの香りの煙を吸ってタイムリープを経験した和子は、当時の自分と同じ世代のマナツを見守る立場ですが、マナツもタイムリープを経験したと知った時、ある事情で忘れていた記憶を、当時の恋を思い出します。そして明らかになっていく30年前の恋の結末と、それにまつわる真実。この舞台の主人公は高校生のマナツですが、私が惹きつけられたのは原作のヒロイン、和子でした。当時和子が恋をした少年は、その恋が終わる時、また違う形できっと会えるという旨の事を告げ姿を消しています。そして現在、マナツの不思議な体験と同時に蘇る恋心、そして現在の和子を取り巻く人々。果たされていた約束とそこに込められた想い、真相を知った和子の涙と言葉に胸を打たれます。長い時をかけた互いの深い想いに感銘を受けました。

タイムリープシーンの表現や、タイムリープ能力とラベンダーの煙の謎を解くべく突っ走るマナツ、時にマナツを守り時に諌め共にかける輝彦、実験室にあったフラスコの中のものは誰が何の為に作ったのか、深まる謎と交錯する想い、舞台を包む疾走感に圧倒されました。

東京公演は終了してしまいましたが、20日から24日にかけて大阪で上演されます。ぜひたくさんの人に観て頂きたい作品です。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。