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演劇集団キャラメルボックスクリスマスツアー『ブリザードミュージック』 [観劇]

先週、演劇集団キャラメルボックスのクリスマスツアー『ブリザードミュージック』と『太陽の棘』を観てきました。

まずは『ブリザードミュージック』の感想から。

「若人よ来たれ!君もクリスマスに芝居をやらないか!」
クリスマスの1週間前、新聞広告を見た5人の俳優たちが、池袋の劇場に集まってくる。しかし、彼らの前に現れたのは、演劇経験の全くない、90歳のおじいちゃん。元小学校教師の梅原清吉だった。彼は、70年前に書いて、上演できなかった脚本を、自らが主演して、上演したいと言う。スタッフは清吉の家族たちで、もちろんみんな演劇未経験。俳優たちは最初激しく反発するが、清吉の情熱に打たれ、次第に本気になっていく。
本番はクリスマス。はたしてたったの1週間で、芝居は完成するのだろうか?
(公式HPより)

「クリスマスはジジイが頑張る日。」という台詞があり、主人公は90歳の清吉なのですが、私の興味は集まった5人の俳優達の方に向かいました。
我が強く個性的な5人は初対面、最初はバラバラだった皆の気持ちが、「この舞台を成功させよう」と一つになっていく様に胸が熱くなります。何度も衝突しながら一つの舞台を作り上げていく、華やかな舞台上は楽しいだけじゃなく大変な事辛い事も多いけれど、情熱をかけられるものがあるって素敵な事だと感じさせてくれます。終盤の「金が欲しけりゃ役者なんてやってない!」という台詞に心打たれました。
清吉の脚本に総ダメ出しをし即興劇から台本を作り上げていく事になり、その内容は70年前の清吉に何があったのか、というもので当時清吉が書いた脚本を上演出来なかった理由や清吉の想いが明らかになっていきます。宮沢賢治を崇拝し彼の作品を広めたいという仲間達の想い、恋い慕う女性・ミハルへの秘めた想い、上演を中止せざるをえなかった事情、劇中劇で語られる当時の人々の様々な気持ちと、現在の清吉や俳優達の想いが交錯し、心を一つにしていく一同の姿にジーンとしました。

とはいえ少し疑問を感じたところもあります。
過去も現在も、清吉の想いはミハルへの告白の一点にしかなかったのかなという所が気になりました。宮沢賢治の作品を世に広めたい、そんな情熱から立ち上げた計画だったはず。上演出来ないとなった後も、清吉の気持ちは賢治よりミハルにあったように思えてならず、当時の他の仲間との温度差と、この作品そのものが宮沢賢治を題材にした必然性はどこにあったのかな、というのが気になっています。
私の読みが足りないのでしょうか……。

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